ほしのこえ」「アニマトリックス」のアニメプロデューサーが、札幌の若きクリエーターにお金の集め方を伝授
「たれぱんだ」の作者が語った“ヒットキャラ”の法則。
「私の仕事は、お金を集めてアニメを作ること」と語る竹内氏は、コミックス・ウェーブ社長、シンク代表、慶應義塾大学助教授など肩書きは数多い。
自己紹介では「いいクリエイターを見つけ、優秀なスタッフを探し、お金を集めて、宣伝して、売る。これがプロデューサーの仕事です。私もオタクなんです」と明かした。
「私の仕事は、お金を集めてアニメを作ること」と語る竹内氏は、コミックス・ウェーブ社長、シンク代表、慶應義塾大学助教授など肩書きは数多い。
自己紹介では「いいクリエイターを見つけ、優秀なスタッフを探し、お金を集めて、宣伝して、売る。これがプロデューサーの仕事です。私もオタクなんです」と明かした。
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「日本では、プロデュースという概念が欠けています。クリエイターの個の力は上がってきています。寝る間を惜しんで、いい作品を作っても、そのままにしていたら趣味です。ビジネスにするには、発表しなくては。どんなにいいものでも、みんなが知らなければ価値はゼロです」
竹内氏は、札幌のクリエイターたちに金の集め方を伝授。キーワードは『O・P・M』だという。「何の略称か分かりますか?」という呼びかけに、会場から回答が寄せられたが正解は出なかった。
「答えは、アザー・ピープルズ・マネー『人のお金』です。お金がないと作れない、という考えは捨ててください。例えば、マンガの原価はいくらですか? 紙とペン代だけでしょう。たったそれだけで、ドラゴンボールは全世界で大ヒットしました。この後に講演する『たれぱんだ』の作者さんも、ひとつのキャラクターで300億円のお金を生み出しています」
「自分のお金で作ってはいけません。魅力ある事業なら、人はお金を出しますよ」とクリエイターを勇気付けた。
午後6時15分からは、「たれぱんだ」「ぴよだまり」の作者、すえまさひかる氏が講演。すえまさ氏は、文房具会社サンエックスにデザイナーとして入社。さまざまなキャラクターを生み出すも、会社には、ことごとくボツにされた。落ち込んだ時に描いた「たれぱんだ」が大ヒット。同社退社後、フリーデザイナーを経て「てててん」を設立、社長を務める。現在は『ぴよだまり』という、ひよこのキャラクターを手掛けている。
「キャラクタービジネスの現場 メディアを超え増殖するキャラクター」と題する講演では、キャラクターの誕生秘話を紹介。
「『たれぱんだ』は元々シールのキャラクターでした。当時、パンダやウサギ、カエルという動物が流行っていたので、それらのシールを作る班にいた時に描きました。
その後、2年間何の反応もなかったんです。サンエックスのデザイナーには、毎月新しいキャラクターを生み出すノルマがあります。キャラをCGで描くブームが来ていたときに、鉛筆の手書きで提出した『たれぱんだ』が、月ごとに出る新しいキャラ6種のうちのひとつにひっかかった」
「社内では『あまり可愛くない』と不評だったんですが、市場に出す前のモニター会で選外作品として出されていた『たれぱんだ』を気にしている人が結構いたそうです。それで、かわいいキャラが5種あるんだから、ひとつくらい変なのがあってもいいだろう、とイロモノ的な扱いで売り出されました。結果的に、6種の中でダントツに売れたのが『たれぱんだ』でした。ちょうど『癒し』ブームの中だったから売れたのかもしれませんが、狙っていたわけじゃないんです。その2年前に作っていたキャラでしたから」
「ぬいぐるみを2,000個作ったら、2万個の注文が来る。女性だけではなく、男性もグッツを買ってくれる。『初めてキャラクターにハマりました!』と、車会社の営業をしているサラリーマンからお手紙をもらったり」
すえまさ氏は“ヒットするキャラクター”についてこう語る。「ヒットしたのは、今までにないキャラクターであることか、既存するキャラの中で一番のものであること。『たれぱんだ』は可愛いことが当たり前であるファンシー業界の中で、今までにないキャラだったから、今までキャラクラーに興味がなかった人も買ってくれたんだと思ってます」
講演の中で、すえまさ氏が現在、手掛けている、ひよこのキャタクター『ぴよだまり』のアニメーションが放映された。時間が長いので、ネットでは公開していないフィルムとのこと。
講演を聞いていた竹内氏は「メモを取りながら、お話を聞いていました。一度作品が売れると、クリエイターは顔が変わってくる。すえまささんも、グッツが売れたことで、社内で批判されても、守るべきこだわりを持って戦ってきた。売れたという自信が、もっといいものを作ろうという気持ちに繋がる」と感想を述べた。
「これから作りたい新しいキャラはありますか?」という竹内氏からの質問に、すえまさ氏は「いいえ。今は『ぴよだまり』を安定させて、事務所の家賃を払わないと」と回答。竹内氏は「後で『ぴよだまり』について相談しましょう」と話していた。
この後は午後9時まで、ライブとクリエイターと投資家の交流会が行われ、今年の「ICCフェスティバル」は幕を閉じた。


